デルの「Dell XC Webスケールコンバージドアプライアンス(XCシリーズ)」は、仮想化環境を統合したアプライアンス製品。x86サーバ「Dell PowerEdge」にニュータニックスの分散ファイルシステムを搭載した。「ハイパーコンバージドインフラストラクチャ」と呼ばれる分類に属する製品である。
XCシリーズは、ニュータニックスのストレージOS「NutanixOS(NOS)」に仮想化環境が組み込まれた状態で提供される。ハイパーバイザはVMware ESXi、Microsoft Hyper-V、KVMの中から選択可能。ニュータニックス独自の分散ファイルシステム「NDFS(Nutanix Distributed File System)」を搭載し、RAIDやキャッシュといったストレージ機能、あるいはストレージエリアネットワーク(SAN)やネットワーク接続ストレージ(NAS)といったストレージシステムを別に用意する必要はない。既存の環境に新たにノードを追加するだけで、ストレージを含めてシステムのスケールアウトが可能だ。
XCシリーズの最小構成は3ノードで、データは最低2ノードに記録される。ノード障害が発生すると、そのノードに記録されていたデータは一時的に保護を失った状態になるが、その場合はデータが別のノードに複製されて自動的に保護された状態を回復する。RAIDアレイのホットスペアのような、空きノードを用意しておく必要はなく、障害が発生したノードの仮想マシンはノード間で移動させることが可能である。分散ファイルシステム上では、ノードをまたいでデータに透過的にアクセスできる。
用途別に、仮想デスクトップ基盤(VDI)向け、プライベートクラウド向け、データベース&コラボレーション向けという3系列を提供。それぞれの用途に向くように仕様を変えている。

「Dell XC 720XD」の外観(デル提供)
用途と機能 | 仮想マシンや仮想ストレージを統合したアプライアンス製品 |
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特徴 | NutanixOS(NOS)に仮想化環境が組み込まれた状態で提供。ハイパーバイザはVMware ESXi、Microsoft Hyper-V、KVMをサポート。分散ファイルシステムのNDFSを搭載する。ノードを追加するだけで、ストレージを含めてスケールアウトが可能。 |