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給与、人事、勤怠、就業管理システムは労働環境に合わせた提案を --ノークリサーチ

ノークリサーチは10月19日、2015年の国内中堅・中小市場における「給与・人事・勤怠・就業管理システム」の利用実態とユーザー評価に関する調査・分析の結果を発表した。

 ノークリサーチは10月19日、2015年の国内中堅・中小市場における「給与・人事・勤怠・就業管理システム」の利用実態とユーザー評価に関する調査・分析の結果を発表した。

 調査は、同社が発刊する「2015年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」に向けて行われたもので、日本全国全業種の500億円未満の中堅・中小企業において「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」または「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」社員を対象として2015年7月に実施され、有効回答件数は1300社。

 それによると、導入社数シェア上位の製品/サービスに変動は見られず、市場全体としては安定した状況にあるという。


導入済みの製品/サービス(いくつでも)(ノークリサーチ提供)

 上のグラフは年商500億円未満における給与、人事、勤怠、就業管理システムにおける導入済み製品やサービスの導入社数シェアを前回調査(2014年7月)と今回調査(2015年7月)で比較したもの。導入社数シェア上位に大きな変動は見られないことが分かる。

現状の課題を起点とするアプローチは難しい、将来を見据えた新たなニーズ喚起が重要

 中堅・中小企業における給与、人事、勤怠、就業管理システム活用は、売上増やコスト削減といった戦略的な事由よりも、法制度対応が主な役割となることが多い。そのため、製品やサービスの選定においても「費用負担を抑えて現状を維持する」という方針になりやすい。

 では、給与、人事、勤怠、就業管理システムの活用においてユーザー企業はどのような課題を抱えているのだろうか。下のグラフは、年商500億円未満の中堅・中小企業全体に対して、導入済みの製品やサービスに関して抱えている最も重要な課題をたずねたもの。

 「導入後の保守/サポート費用が高価である」「導入時の初期費用が高価である」「バージョンアップ時の費用負担が高価である」といった項目が多く挙げられており、現状の課題においても『費用負担を抑える』ことが優先事項となっていることが確認できる。

 ただし、最も多く挙がった項目においても、回答割合は1割程度にとどまる一方、「課題は全くない」の回答割合が約3割に達している。そのため、給与、人事、勤怠、就業管理システムを開発/販売するベンダーや販社、システムインテグレーターにとっては「現状で解決すべき課題」という点から、シェアの獲得や拡大を図るアプローチはあまり有効でない可能性が高い。


現時点で抱えている最も重要な課題(ノークリサーチ提供)

 だが、給与、人事、勤怠、就業管理システムの選定に影響を与える要素は『費用負担を抑える』だけではない。例えば「導入済み製品/サービスに関して評価/満足している機能や特徴」を尋ねた結果を製品/サービス別に集計すると、シェア上位の製品/サービスの中には従来の給与・人事・勤怠・就業管理システムに見られなかった新たな機能を取り入れたことが評価されているケースも見られる。

 このように、現状維持志向が強い状況の中でも新たな差別化ポイントを模索する取り組みが将来的には非常に重要となる。

マイナンバー制度対応は「シェア拡大の契機」よりも「顧客維持のための必須事項」

 さて、給与、人事、勤怠、就業管理システムを開発、販売するベンダ-や販社/システムインテグレーターが今後、差別化ポイントとして注力すべき機能とはどのようなものか。

 その手がかりとなるのが下のグラフで、給与・人事・勤怠・就業管理システムに対する今後のニーズをたずねた結果を年商別に集計した中から年商50~100億円未満の一部データを抜粋してプロットした。今後のニーズにおいても費用に関する項目(「バージョンアップ時の費用負担が安価である」など)や法制度対応に関する項目の回答割合が高いことが分かる。


最も重要な課題の解決策として製品/サービスが持つべき機能や特徴(いくつでも)
(ノークリサーチ提供)

 2015年において特に留意すべきなのは「マイナンバーに求められる業務に対応できる」という項目だろう。2015年1月施行開始に向けて、規模を問わず全ての企業がマイナンバー制度への対応を完了させる必要がある。

 ただし、ここで挙げられているマイナンバー制度への対応ニーズは「新たなIT投資」を意味するものではなく、「現状の給与、人事、勤怠、就業管理システムのバージョンアップ」内での対応を想定したものだ。

 「バージョンアップ時の費用負担が安価である」の回答割合が最も高いことからも分かるように、マイナンバー対応を契機に、製品、サービスの移行、刷新や高価なオプションサービスの利用を訴求することは難しいと予想される。

 マイナンバー制度はセキュリティ関連ツールなど、一部のIT活用領域では需要増も期待されるが、給与、人事、勤怠、就業管理システムのベンダーや販社/システムインテグレーターにとっては「自社の顧客を失わないために、顧客側の費用負担を最小限に抑えつつ的確な対応が求められる取り組み」となってくる。

 

 また、費用関連や法制度対応関連だけではないニーズも垣間見える。上のグラフで「プログラミングを伴わずに機能の追加/変更をユーザ自身が行える」の回答割合が15.1%である点はその一例だ。

 少子高齢化などによって、今後は有能な人材を確保することも難しくなると予想される。中堅・中小企業としても多様な働き方や評価制度を導入し、働く側にとって魅力的な職場作りが求められてくる。

 そのためには、給与、人事、勤怠、就業管理システムにおける機能を追加/変更できる仕組みが重要になってくる。このように、年商帯によっては費用に関する項目や法制度対応に関する項目以外のニーズも幾つか存在する。

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