日立製作所の「JP1」は、企業システムを対象とした運用管理ソフトウェア。モニタリング、オートメーション、ファウンデーション、ITコンプライアンスの4領域をカバーする統合ツールである。1994年の発売以来、20年以上の歴史を持つ。
(1)モニタリングでは統合管理とサービスレベル管理、アベイラビリティ管理、(2)オートメーションではIT運用自動化とジョブ管理、(3)ファウンデーションではITリソース管理とネットワーク管理、ストレージ管理、サーバ管理、(4)ITコンプライアンスでは資産、配布管理とセキュリティ管理――といった管理機能を提供する。
自社に必要な機能から導入し、徐々に拡張していくことが可能。PCサーバ1台の小規模システムから、数千台のサーバで構成する大規模システムにまで対応する。
JP1は、システム全体の構成情報や稼働状況、システム内で発生するさまざまな事象(イベント)を統合コンソール上の共通化されたオペレーション環境で一元管理できる。Windowsのイベントログ、UNIXやLinuxのシステムログ、任意のアプリケーションのログやSNMPトラップをJP1イベントとして表示。監視対象サーバにエージェントをインストールすることなく障害監視(ログ監視)ができるので、業務システムを止めることなく監視を始められる。監視対象サーバにエージェントをインストールするエージェント監視とエージェントレス監視を混在させた運用も可能。
サポートOSは、Windows、Linux、AIX、HP-UX、Solarisなど。最新版ではAmazon EC2やMicrosoft Azureなどのクラウド環境、クラスタリング環境や仮想化環境も管理対象に含められる。
「JP1 Certified」という連携製品認定制度を設けており、JP1を構成するソフトウェアとシームレスに連携できる他社製ハードウェアとソフトウェアを認定している。

JP1の統合コンソールの画面(日立製作所提供)
用途と機能 | 企業向けの統合システム運用管理ソフトウェア |
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特徴 | 単一の統合コンソールで、システムに発生するさまざまなイベントを一元的に管理する |
税別価格 | 234万2000円(「統合管理」の基本構成の概算価格) |
導入企業 | 住友林業、クボタ、ヤマハ、ブリヂストン |