日本オラクルの「Oracle Marketing Cloud」は、マーケティングの意思決定や自動化のためのプラットフォーム機能をSaaS型で提供する。個々の顧客ごとにカスタマイズした施策をマルチチャネルを介して提供することで販売額の増大につなげることが狙い。
中核機能の1つ「Oracle B2B Cross-Channel Marketing Platform」はマーケティングを自動化する。リード(見込み客)管理、メールを使ったマーケティング、分析レポート、顧客情報管理システム(CRM)連携、リードスコアリング、行動追跡などの機能を提供する。
同機能を使うと、例えば、獲得したリードをもとに実案件に結びつくまでのナーチャリングフローをホワイトキャンバスに直感的に設計できる。メールを閲覧した顧客がリンクをクリックしたかどうかをトラッキングしたり、閲覧しなかった顧客に対して数日後に再度メールを送ったりするなど、顧客の行動にあわせた施策フローを描くことができる。
オンラインの行動履歴を自動収集して、ユーザーの知識レベルや購買プロセスのステージを分析する機能も備える。オンライン上のアクティビティの裏に潜む意味を分析できるとしている。業種や企業規模、部署や役職などの“プロファイル”と、メール開封や資料ダウンロード、イベント参加、価格ページの確認など“行動”履歴の2軸で顧客の購買プロセスのステージをA1~D4に分けた16象限のテーブルでスコアリングする。
2015年4月には、顧客ごとにカスタマイズした顧客体験をリアルタイムに提供するための機能群を強化した。新機能の1つである「Oracle ID Graph」は、各種マーケティングチャネルやデバイスを個々の顧客に結び付ける機能。取得した複数のオーディエンスデータをユーザーごとに1つにまとめ、顧客の特性にあわせて対応策が取れるようになる。
もう1つの新機能「Rapid Retargeter」は、顧客の対応にあわせて、その都度最適なメッセージを迅速に発信する機能。例えば、ショッピングカートに入れたままになっている商品があればメールでリマインダーを送るといったことができる。従来のリターゲティングツールはチャネルごとに切り離されていたために顧客への働きかけを行うまでに時間を要してたが、Rapid Retargeterは複数のマーケティングチャネルを一元的に管理できるため、ほぼリアルタイムに顧客に向けて最適なマーケティング施策を取ることができるとしている。

オンラインの行動履歴を取得してスコアリングする分析機能の概要(日本オラクル提供)
用途と機能 | マーケティングの意思決定や自動化のためのプラットフォーム機能 |
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提供形態 | SaaS |
主な機能 | リード(見込み客)管理、メールを活用したマーケティング、分析レポート、CRM連携、リードスコアリング、行動トラッキングなど |
特徴 | 個々の顧客ごとにカスタマイズした施策をマルチチャネルを介して提供できること |
価格 | 要問い合わせ。Oracle B2B Cross-Channel Marketing Platformの例では、エントリーエディションが1万コンタクトで月額20万円から |
発表日 | 2015年4月10日(新機能の「Oracle ID Graph」と「Rapid Retargeter」) |
提供開始日 | 2015年4月10日(新機能の「Oracle ID Graph」と「Rapid Retargeter」) |