インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス(IaaS)およびプラットフォーム・アズ・ア・サービス(PaaS)の主な構成要素は、クラウド上のリレーショナルデータベースである。Microsoftは、「Microsoft SQL Server」との高い互換性を備えるデータベースサービス「Azure SQL Database Server」を用意している。「Google CloudSQL」は、「Google Cloud Platform」上で利用可能なMySQLベースのデータベースサービス。Rackspaceにも、「Oracle」、Microsoft SQL、MySQL、「MariaDB」、「Percona」に対応するマネージドデータサービスがある。Oracleのパブリッククラウド市場向け製品も視野に入れると、選択肢はさらに増える。
Amazonは、AWSで大規模なデータベースを運用している顧客をターゲットにしたAmazon Auroraの一般提供を2015年7月28日に開始した。AWSクラウド上でAmazon Auroraが提供されることは、AWSのシニアVPであるAndy Jassy氏が2014年11月、ラスベガスで開催されたAWS re:Invent conferenceの場で発表した。同氏によると、Amazon Auroraはプロプライエタリな商用データベースエンジンのエンタープライズ版およびハイエンドSANが備えるのと同等の可用性、堅牢性、障害耐性を、10分の1ほどの料金で提供するという。
データベースサーバ用ソフトウェア開発事業の経験がない会社にしては、相当な背伸びをした発言だった。ただし、Amazonの開発チームは拡張性と可用性のあるデータベースについて、それなりの知識を持っているはずだ。第一、Amazonは世界最大の通販ポータルを運営し、膨大なトランザクションを毎日処理しているではないか。
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