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IaaS/PaaS中心にすべてのデータセンターサービスが伸長--首都圏に回帰傾向

東日本大震災以降、データセンターの建設地はバックアップ向けデータセンターなど地方への流れがあったが、再び消費地に近い首都圏への回帰をみせている。

 ミック経済研究所は8月17日、国内のデータセンター事業者のファシリティや売上動向などの調査結果を発表した。国内の主要データセンター事業者141社のアンケート調査結果をベースとし、データセンター施設、ファシリティ、データセンターサービスの事業化比率と売上動向を2013年版の調査結果と比較しながら分析した。

 データセンター施設は2013年度までの十数年間、リーマンショックの2008年と2009年を除いて着実に増加しており、年間平均増加数はデータセンター数で30以上、延床面積で10万平米以上、ラック数で1万数千基となっている。

データセンター数、延床面積、ラック数の中期予測
データセンター数、延床面積、ラック数の中期予測(ミック提供)

 データセンターは、もともと中断や停止が許されないミッションクリティカルなシステムを施設と設備、IT機器の側面からユーザー自身で用意するよりもコストパフォーマンスを高く維持、保証する場所であり、経済や産業の発展と高度化に伴い必要不可欠な事業として発展してきた。しかし、2011年3月の東日本大震災以降からは局面が変わり、以下の4点の要因が重要となってきている。

  1. ユーザー企業の災害復旧(DR)や事業継続計画(BCP)への意識が格段にアップし、バックアップ向けデータセンターのニーズが高まった
  2. 耐震性とセキュリティの強化、省エネ対応、電力使用効率(PUE)などの要請が強まった
  3. ユーザー企業に“クラウドファースト”の意向が強くなり、データセンター利用が中堅中小企業まで拡大した
  4. 地方でSaaS、レンタルサーバや仮想専用サーバ(VPS)のハウジング先としてデータセンターを間借りする業者が増加した

 同社は2014年度はデータセンター施設のターニングポイントと表現。東日本大震災以降、データセンターの建設地はバックアップ向けデータセンターなど地方への流れがあったが、再び消費地に近い首都圏への回帰をみせている。

 データセンター施設の増加数でも、データセンター数、延床面積、ラック数で、2013年度以前と比べて減っており、2015年度からはさらに顕著で、従来の半分になっている。この理由は、東日本大震災以降に将来のサーバルーム増設を確保した大規模データセンターの増加と、2020年度に開催決定した東京五輪による建設コストアップによるものと説明。サーバの集約化も影響していると付け加えている。

データセンター数、延床面積、ラック数の伸び率推移
データセンター数、延床面積、ラック数の伸び率推移(ミック提供)

 データセンターサービス市場(グループ間取引とデータセンター間借り料の重複分を除いた実質市場規模)は好調で、2015年度まで伸び率自体も2013年度4.7%増、2014年度4.8%増、2015年度4.9%増と右肩上がりとなっており、2015年度の市場規模は1兆6000億円を超えると予測している。

 以降、伸び率は漸次下がってくるが、2020年度まですべてのサービスで伸長を続ける。2020年度でハウジングとホスティングの成長は止まり、PaaS/IaaSとSaaS/ASPはその後もしばらく成長を続け、2022年度あたりで市場規模2兆円を突破し、データセンターサービス市場のピークを迎えるとしている。

 市場成長のドライバーはPaaS/IaaSであり、2012年度を基準としてみると、2020年度は412.9%と5.1倍の指標で断トツの伸び率、SaaS/ASPは2倍となる100.5%。PaaS/IaaSは大手ユーザー企業の情報システム部門や部門ごと、あるいはネット関連中小企業で活発に利用されている。

 今後さらに使いやすくなり、競合が激しいため低価格化が進み、中小企業でも普通に利用されるようになりつつある。さらに、個人でもサイドビジネスや趣味の延長線上で気楽に利用する時代も近づきつつある。クラウドファーストの潮流はグローバル化の流れとともにハイブリッドクラウドも含めて2022年度あたりまでとどまることがないと予測する。

データセンターサービス市場の中期予測
データセンターサービス市場の中期予測(ミック提供)

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