NECの「NX7700x」シリーズは、CPUやメモリなどのハードウェアの故障に強いというx86サーバ。エラーの発生頻度が高くなったCPUコアを自動的に切り離して予備のCPUコアに置き換える。ライセンスの設定だけで有効コア数を動的に変更でき、残りのコアを予備コアとして利用する仕組み。予備のメモリ領域を設定しておけば、メモリの故障に対しても予備のメモリに切り替えられる。
現行モデルでは、メモリの故障に対する可用性を高めた。既存モデルはメモリ容量の4分の1を予備のメモリとして設定できるが、現行モデルは容量の4分の2まで予備として利用できる。これにより、メモリを交換することなく2回まで故障に耐えられる。4個のメモリチャネル(データ入出力チャネルが2個あるデュアルランク型DIMM×2枚)のうち、予備として使えるチャネルを従来の1個から2個に増やした形である。
メモリデータのミラーリング機能も強化した。メモリ領域を有効に利用できるように、ミラーリングする領域をメモリアドレスで指定できるようにした。既存モデルはアドレス指定ができないので全データを2重化するしかなかったが、後継モデルはデータベースサーバなど特定のアプリケーションが利用するメモリ空間に限って2重化できる。
後継モデルでは、CPUも15コアから18コアに刷新。これにより、予備コアをより運用しやすくした。CPUとメモリだけでなく、I/Oカードにも冗長性を持たせた。I/Oカードの故障時に予備のI/Oカードに切り替わるようにした。

NX7700x/A3012M-4の外観(NEC提供)
用途と機能 | 基幹業務向けx86サーバ | |||
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主な特徴 | CPUやメモリなどのハードウェア障害に対する可用性をUNIXサーバ並みに高めたこと | |||
高可用性機能 | 故障したCPUコアを自動的に切り離し、予備のコアに切り替える(使っていないCPUコアを予備として利用する) 故障したメモリを自動的に切り離し、予備のメモリに切り替える(容量の1/2まで予備として利用する) 故障したI/Oカードを自動的に切り離し、予備のI/Oカードに切り替える | |||
モデル | A3010M-4 | A3012L-1 | A3012L-2 | A3012M-4 |
CPU数 | CPU×1~4(18~72コア、予備コアは使用不可) | CPU×1(18コア) | CPU×2(36コア) | CPU×2~4(36~72コア) |
税別最小構成価格 | 168万4000円 | 301万7000円 | 358万9000円 | 327万5000円 |
発表日 | 2015年5月27日 | |||
出荷日 | 2015年7月31日 |