日本IBMの「IBM Spectrum Storage」は、ソフトウェア定義ストレージ(Software Defined Storage:SDS)関連のソフト製品群である。既存のストレージ製品をリブランドする形で2015年2月に発表したSDSの新ブランドであり、現在は全6種で構成する。
中核製品の「Spectrum Accelerate」は、ノードを並列に追加していくことで容量と性能を拡張できる並列分散ノード型のSANストレージソフトで、ハードウェア一体型の既存のストレージ「XIV Storage System」のソフトウェア部分を切り出したもの。
2015年2月のリブランド当初は、XIVのソフトウェアを切り出したSpectrum Accelerateと、「Spectrum Scale」(旧General Parallel File System:GPFS)の2製品をラインアップしていた。いずれも複数ノードを束ねて単一の仮想的なストレージを構築できるソフトであり、前者は分散型のブロックストレージを、後者は分散共有ファイルシステムを実現する。
この他の製品は以下の通り。1つは「Spectrum Virtualize」(旧SAN Volume Controller:SVC)で、複数の外部接続SANストレージや内蔵ストレージを束ねて仮想化するストレージ仮想化機能などを提供する。1つは「Spectrum Archive」(旧Linear Tape File System:LTFS)で、テープに対してファイルシステムとしてアクセスできるようにする。「Spectrum Protect」(旧Tivoli Storage Manager」はデータバックアップ/リカバリソフトである。
直近の2015年6月29日には、最新サービスとしてストレージの稼働状況を監視するSaaS「Spectrum Control Storage Insights」を開始した。

Spectrum Control Storage Insightsの画面(日本IBM提供)
用途と機能 | ソフトウェア定義ストレージ(SDS)関連ソフトウェア群 |
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構成製品 | Spectrum Accelerate=並列分散ノード型のSANストレージソフト Spectrum Scale=並列分散ノード型のNASストレージソフト Spectrum Virtualize=複数のSANストレージを束ねて仮想化するストレージ仮想化ソフト Spectrum Archive=テープ用のファイルシステム Spectrum Control Storage Insights=ストレージの稼働状況を監視するSaaS Spectrum Protect=データバックアップ |
価格 | 中核製品のSpectrum Accelerateの場合、容量1Tバイトあたり50万円程度 |
発表日 | 2015年5月18日 |
提供開始日 | 2015年6月29日(新サービスのSpectrum Control Storage Insights) |